英会話リンゲージのサイトを支える!新人Webディレクター対談 [Vol.2]
こんにちは!PRマーケティング事業部の三原です。
前回の記事、英会話リンゲージのサイトを支える!新人Webディレクター対談 [Vol.1] に引き続き、新人Webディレクター3名と対談しながら、Webディレクターという職業の真実に迫っていきたいと思います。
私、三原もWebディレクターです。しかし、日ごろディレクター同士で仕事そのものについて語りあう機会は殆どありません。
特に、ディレクターになりたての方から仕事に対する思いを聞くことは逆に新鮮で、多くの発見がありますし、私自身、初心を振り返るきっかけになります。
前回紹介した森さんは、Web業界未経験の状態からアシスタント業務を経て、Webディレクターデビューしました。今回紹介するのは、アルバイトの冨田さん。これまで主にメディアの編集・執筆をメインで行っていた冨田さんですが、森さん同様、この春からWebディレクターとしての一歩を踏み出しました。
Webディレクターの仕事には、お手本が無い!?
– 冨田さんは初めての案件を担当する中で、どんなことに苦労しましたか?
冨:今回「イベント英会話」をテーマに、Go!inguage(ゴリンゲージ)という、英会話教室の全校合同スポーツイベントを紹介する特設ページを制作しました。英会話教室としては類を見ないイベントです。
制作ディレクションは、とにかくすべてが初めてのことばかりでした。
これまでの私にとって新しい仕事は先輩の横に付いて学んでいくもので、やり方のお手本があるのが当然、という思いがありました。しかし今回の案件は、過去にお手本として流用できる事例が無かったんです。
だからディレクターとして“自分でどうするか考えないと進まない”という課題に直面しました。
– ライターのお仕事とWebディレクションには、大きいギャップを感じたのですね。
冨:はい。初めて挑戦するページ制作のディレクション。次に何をすべきか、どこへ進んだらいいか分からず、解答がほしい!と強く感じました。
そこで早川主任(Webディレクターの先輩)にマニュアルのようなものはないですかと聞いたところ、「ディレクションは人によって色々なやり方があるから、これが正しいと押し付けることはできない。特に冨田さんは今回初めてだから、1つの方法にとらわれないほうがいい」とアドバイスをいただきました。
それがきっかけで、「何が正解か」ではなくてディレクター自身が「何が目的か、何をどうしたいか」をハッキリさせることが大切だと気付けたんです。
– 一口にディレクターといっても色々なタイプの方がいます。人によって知識の範囲や得意分野が違いますから。だからこそ自分に合うと感じた部分を組み合わせるんです。自分流を作らないと仕事が進まないことは、よくありますよ。
市:自分なりのセオリーや強みって大事ですね。三原さんのおっしゃることと若干ずれているかもしれませんが、Webサイトの制作や運用はケースバイケースで動くこともありますよね。
▲お仕事紹介①リンゲージ公式サイトのブログ執筆を教室のスタッフさんにお願いするためのテーマ提案、スケジュール作成、原稿のWordPressへの流し込みを行っています。素敵な記事があがってくると気分も高まります。
冨:あとWebディレクターはデザイナーやライター、コーダー等よりも上位の人がなるものだと思っていたので、そんな立場に自分もなれるのかな?と心配でした。
– Webディレクターは立場やスキルの高い人がやるものというのは、少なくとも僕は誤解だと思いますよ。僕の意見としては、ディレクターも、デザイナーもコーダーも横並びで、上下関係はありません。方向を示すのはディレクター。形にするのはデザイナー。立場の違いはなく、役割が違うだけです。なので、お互いに相談しながら制作を進めていくものだと考えています。
冨:やはりそういう考え方で良かったんですね。
初めてのディレクションで、私からデザインや動画制作などを専門スキルのあるメンバーに依頼しましたが、皆さんからアドバイスをたくさんもらい、勉強になることばかりでした。非常にありがたい反面、本当はディレクターなのだから、自分ができなくてはいけないのに、助けてもらってばかりでダメダメだ、とその時は焦りも感じました。
– 僕も最初は、周囲から指摘をもらえばもらうほど、自分の至らなさにがっかりしていました。自分はディレクターには向いていないのではないか、と思ったこともあります。
もちろん勉強や経験を積んで自分でできるに越したことはありませんが、今思うと落ち込んでいる意味が無かった!と思います。
冨田さんが初案件を通して学んだ「参考探しスキル」と「相談力」
– イベント英会話ページの制作ディレクションを通して、どんな学びがありましたか?
冨:無事に納品することができたのは、自分の力によるものではありません。
動画制作、デザイン、構築など、それぞれのプロジェクトメンバーが自分より経験豊富で、制作のことを分かっている皆さんだからこそやり遂げられました。
例えば、今回の動画制作に関して上司からは、基本的に私が細かい指示を出さなくても動画担当にお任せしていいと言われました。しかし、依頼した動画が仕上がっていく中で、カッコよく編集された動画を目の当たりにしながら、自分は動画内に音が流れる、テロップが出る、という意識すらできていなかったことに気づきました。
動画担当さんにはイメージ、コンセプト、どんな人たちが観る想定かということは伝えたのですが、具体的にこうしてほしい、という指示は出せませんでした。これも、私がもっともっと参考になるような動画をたくさん知っていれば、知識やスキルがないなりに自分で指示ができたかもしれません。
– そうですね、まず参考事例を探すのは、プロジェクトメンバーやクライアントと共通の認識をもつためにとても重要です。また、案件に関係なく、普段から動画やデザインを見て引き出しを増やすことも大切なんですよ。
冨:それなんです、実は三原さんの言う「参考になるページを見つけて示す」という発想が本当に重要で。でも当初の私はディレクターは自分で考え出さなくてはならないと思っていたので、むしろ参考にしたらズルをしているくらいに考えていたのです。しかし、案件の中で諸先輩方からアドバイスをもらい、ようやく理解できました。まるパクリはダメですが、自分ができるレベルよりも高クオリティのものがたくさん存在しているから、それを提案に活かすこと。これは決して間違っていることではないんだと思えるようになりました。
– はい。TTP※という言葉もあるように、参考作品を探し、どのように良いところを取り入れるかがディレクターの腕の見せどころと言えます!
▲お仕事紹介②ページの構成案を作成中。手書きで大まかな枠組みを決めたあとExcelやPowerPointでデータを作成し、テキストを入れ込んで完成させます。
冨:また、今回もう一つ学んだのが、自分の相談の仕方次第で、質問された相手の答えがぜんぜん違ってくる、ということです。
今回の案件で、プロジェクトメンバーには「冨田さん、どうしますか?」と聞かれる場面がたくさんありました。自分が決めてしまって大丈夫だろうか、という不安が常にありましたが、だからといって先輩から答えを聞いてそのまま指示を出したのでは、私の仕事の意味が無くなってしまいます。そんな中、メンバーにも先輩にも、悩んでいる中身を具体的に伝えた上で相談すると、「そこに困っているのであればこういう方法がありますよ」と、積極的に提案してくださることに気づきました。自分自身がやりたいこと、悩んでいること、自分にはできないことなどをはっきりと伝えることで、相手が私をフォローしやすくなったのだと感じます。
※TTP…「徹底的にパクる」という意味の造語
– それは冨田さんのディレクターとしての「相談力」がアップした、と言えますよ!
冨:ありがとうございます。繰り返しますが、最初のうちは、ディレクターなのだからホントは聞いたらダメだと思っていたくらいなので、これは聞いてしまってもいいのだろうか、いや聞くべきでは無く、自分で考えるべきことかもしれない…と迷っていました。
そんな中で「どう相談すればいいか」に気づくことが出来たのは大きな進歩だと思いました。
– 冨田さんのその気付きは、お客さんへのヒアリングの時にも役立つと思います。例えば、「事前にここまで調べたけれど、この部分がわからなかった」という聞き方をすることで、勉強してくれているんだと信頼もしてもらえますし、どんどんいい回答が引き出せたりするんですよ。
森:なるほど、問題を小分けにしてから伝えると、答えてもらいやすいですね。
▲お仕事紹介③ページ提案をする際に最も重要なのはテキスト。ライターの経験を活かし、自分で作成します。紙媒体とはまた違った手応えを感じます。
未経験ながら強い責任感を持てたのは、専業主婦が長かったおかげ!?
– ところで、冨田さんは早い段階でよく「相談力」の大切さに気づかれましたね。きっかけが何かありましたか?
冨:Webのことも制作のことも分からない私でしたが、一つだけ「自分でやらなくてはならない」という責任感だけはありました。
今の環境は幸い、助けてくれる人がいっぱいいるけれど、最終的に責任をとるのは自分だと思っています。
どうやったら進めることができるかを模索する中で、とにかく目の前にある「分からない」というモヤモヤを解消しようと必死になった結果、メンバーから良いアドバイスをもらえるコツに自分で気付けたんです。
私は前職を結婚後に退職してから専業主婦を十数年続けていました。専業主婦なのだから家庭や子供のことは、自分が決断し守っていこう、と自然に考えていたんです。それがたまたま、ディレクターとしての責任感にも通じたのかもしれません。
子供が体調を崩したら、やっぱり親が責任を持って看病することになります。だから子供たちの普段の健康管理も気になって。夜更かししていると知れば「あんたが倒れたら看るのはお母さんだからね!お母さんのために早く寝てほしい」なんて半分冗談ですが指摘します。
未成年のうちは「親が子供の責任を持つ」。そこから逃れることは出来ないですからね。
▲ディレクター同士で「ディレクションとは」という話題に花が咲きます
森:冨田さんはスケジュールの管理もしっかりされますよね。
冨:ありがとうございます。スケジュールに関しても、家庭や子供に関わることはよく後ろに伸びたりするので、遅れることは当たり前くらいに考えていて、納期にバッファを設けるといった対策は自然にできていました。
– 専業主婦とWebディレクターに共通点を感じたというのは、冨田さんならではの気づきですね!
Webディレクターとして山を登りだした冨田さん
今回のインタビューでは、専業主婦からライターとして社会復帰し、更にWebディレクターになった冨田さんからたくさんのお話を聞くことができました。
もともと身についていた「責任感」を武器に、初めての案件では制作を依頼するメンバーとの関わり方をはじめ、多くの気付きを得ることができた冨田さん。
現在、新たな案件の制作も開始しています。前案件よりも「成長することの楽しさ」をいっそう感じながら仕事に取り組んでいるそうです。
今年の春から高校生、大学生になった娘さんたちにとっても、新しいステージで頑張るお母さんの姿はカッコよく輝いているはずです。
また、冨田さん自身が娘さんたちから受ける影響も大きいそうです。編集者出身ということもあり、情報収集への意識はもともと高かった冨田さんですが、ディレクターになってからさらにパワーアップしているとのこと!
若い世代に今、何が注目されているのか。娘さんたちとのコミュニケーションの中から知るうちに、「新しい知識を調べて学ぶ」ということが生活の一部にもなっているそうです。
今までのたくさんの人生経験が、Webディレクターになった現在の冨田さんの原動力になっているんですね。
さて、冒頭で述べた「自分流」というのは、いくつか山を越えて初めて身についてくるものです。
冨田さんも、これから案件の山を一つずつ乗り越えながら、ディレクターとしてさらに成長されていくのではないでしょうか!
そんな冨田さんを、私も同じ経験をしてきた立場として、これからも全力で応援・サポートしていきます。
次回の対談も、お楽しみに!