目指すは頂上!登山部が行く、富士山登頂への道
こんにちは、R&D事業部の菅野です。
今回は8月に開催したeマーケティング事業本部(以下eマーケ)の「富士山登頂を目指す会part2」についてお伝えいたします!
eマーケで富士山に登ろう!
「一生に一度は富士山に登ってご来光を見たい!」と考えている方は多いかと思います。
eマーケ登山部の部長である私の元にも、そんな声が社内から何度か聞こえてきました。
そこで、数人の有志が「eマーケのみんなと富士山に登り、日本のてっぺんでご来光を見る!」との思いで立ち上がり、この会を2018年夏に初めて実施しました。
今年の富士山登頂は2回目にあたり、登山は全くの初心者という方も含めて総勢13名のメンバーで、「令和初の山の日」に山頂を目指すことになりました。
富士山登山の環境と、それにあわせた入念な準備
富士山の標高は3776m。標高は100m上昇するごとに約0.6℃下がりますので、山頂と麓の気温を比べると20℃以上は違うことになります。
また、富士山は強風が吹き荒れることで有名な山。風速は1m上がると体感温度は1℃下がるため、風速が10mを超えることが多々ある富士山山頂では、体感温度は真夏でも氷点下になってしまう世界なのです。
加えて空気の薄い富士山では約50%の人がかかると言われる高山病や、雑魚寝が当たり前で快適とはいえない山小屋など、気候以外のハードルも高く、安全に富士山山頂を目指すには念入りな準備が必要となります。
▲このような富士山を見るのはとっても素敵ですが…。
富士山には過去2回登ったことがありますが、正直に言うと不安がありました。
今回は13名もの大所帯。このような大人数で高い山に登ったことはないうえ、参加メンバーには登山初心者も多かったからです。
万全の状態で当日に臨めるように、参加メンバーで装備の買い出しに行ったり、勉強会を開いたりして予備知識を高め、本番の登山に備えていきました。
▲事前に行われた勉強会の様子。
ここではPRマーケティング事業部の松本マネージャーが登山のしおりを作成してくださいました。ルートや持ち物、当日のスケジュールもこれさえあれば網羅できます。
これでひとまず準備は万端となり、そして迎えた富士山登山当日!
ここからは当日のレポートをお届けしていきます。
1日目 8月10日
決行日は、全研が夏季休暇に入る8月10日。山の日の前日早朝に、移動開始です。
出発?
3チームに分かれ車に乗り込み、それぞれ朝4時~6時の間に出発。
各チーム、富士山の麓・富士宮を目指します!
富士山登山では山梨側と静岡側に複数の登山ルートがありますが、今回は静岡側の富士宮ルートで登ります。
行程は初日に8合目にある山小屋に泊まり、2日目の夜間に山小屋を出発、ご来光を山頂で見るといったプランです。
※「合目」という表記は、登山道の行程のうち、おおよそどの辺りなのかを表す単位のこと。富士山の場合は麓の登山口が0合目、山頂が10合目という具合です。富士山登山では各地の登山道の5合目から登山するルートが一般的です。
一部のメンバーは途中の談合坂サービスエリアで朝ごはん。
朝から某す◯丼!エネルギー補給はバッチリ!!
登山では一度の行程で数千キロカロリーを消費することもあります。カロリーは普段より多めにとっても大丈夫!
この後、御殿場で高速道路をおり、途中寄ったスーパーで水や携行食などの買い出しも行いました。
メンバーが集合し、スタート地点へ
午前11時頃、富士宮市にある水ヶ塚公園駐車場に全員到着。
ここで3チームが集合し、いよいよ本格的に富士山に登るための準備をします。
この時、目の前に見えるはずの富士山が厚い雲で覆われており、その姿を全く見ることができませんでした…。
バスに乗り込み、富士山の2400m地点にある富士宮口五合目まで移動します。
夏期期間の富士山はマイカー規制が敷かれており、バスでのアクセスが必須となります。
▲バス車内の様子。ワクワクと期待に話が弾みます。
そして30分ほどで5合目に到着。雨がポツポツ降ってくることもありましたが、風がなくてとても過ごしやすい気温です。
雲がすぐそこに。
大丈夫かなあ…晴れるかなあ…。
食堂で牛丼やうどんなどを食べ、いよいよ登山スタートです。
いざ山頂に向けて、登山開始
▲記念すべき第一歩!
五合目をスタートしてからも曇り空は続きました。
でも厚い雲のおかげで日差しがなく、とても快適に登れます。
少しの間だけ晴れ間が見え、山頂が現れました。やっほーーー!
道中は高山病予防のためにゆっくりと、深呼吸と水分摂取をこまめに行いながら登ります。
富士山登山では一人あたり2リットル以上の水分が必須です。水は道中にある山小屋で買えますが、とてもお高いので大半の人は水を担いで登ります。ちなみに登山装備の中で最も重いのが水です。
スタートから2時間で7合目へ。雲の中を抜け、いつの間にか雲の上!青空が広がります。
雲海~♪
この辺りからちょっとずつ冷え込んできました。
休憩時間中の汗冷えを防ぐためにジャケットを羽織ります。
この後、体力が有り余っている組とゆっくり組に別れて行動しました。
心拍数を上げて登ってしまうとエネルギー切れを起こしやすく、酸欠によって高山病のリスクも高まるため、各々のペースに合わせてゆっくりゆっくりと登るのがコツです。
そして、スタートから約5時間かけて、18時に全員が宿泊でお世話になる山小屋(8合目、3250m地点)に到着!
1日目が終了!お疲れ様でした!
着いた時には朝の早起きと登りの疲れもあって、みんなヘトヘト。
そしてすぐさま晩ごはんです。
晩ごはんはカレーです。これだけ!?と思われるかもしれませんが、富士山の山小屋で出される食事はこのようなメニューが普通なんです。
我慢できない人は飲んでしまいました!
3000m以上の高地で飲むビールはなぜか格別!(酔いは早く回ります)
そして食べた後はすぐ消灯。
20時には全員寝袋の中でした。山の夜はとても早いのです。
翌日に向けて早めに休息をとるのは鉄則ですが、実際には全員が寝ているんだか寝てないんだか分からない状態でした。山小屋宿泊に慣れている私でも、富士山の山小屋ではいつも眠れません…。
また、睡眠中は呼吸が浅くなるため、最も高山病になりやすいタイミングと言われているので要注意です。
2日目 8月11日
2日目の起床時間はなんと0時。登山道は多くの登山客で渋滞してしまうため、山頂でご来光を見るためにはこの時間に起きて出発しなくてはならないのです。
そして富士山登山ではこの時間が最も辛いタイミング。寝起きで高山病による頭痛があったり、前日の疲れが残っていたりするメンバーが多かったです。
基本的に高山病は高度を下げないと良くなることはないのですが、症状が浅かったため頭痛薬を飲んで出発の準備をします。
ご来光を見るために…山頂へ!
眠い目をこすりながら登山開始!
気温がだいぶ下がっており、防寒着を羽織ります。
真っ暗な登山道に、ヘッドライトを着けた登山客が列を作ります。
この列が山頂まで続いており、登山道や道中の休憩所は大渋滞。早く登りたくても前が詰まっているので、必然的に休み休み頂上を目指すことになります。
見下ろすと登山客の列に加えて街の明かりが。見上げると星がよく見えました。
雲を心配していたのですが、山に少しかかっているだけですので、これは素晴らしいご来光が期待できそうです。
ここでも体力的に余裕があるチームとゆっくりチームとで別れて行動することに。
何度も言うようですが、とにかくマイペースで登ることが大事です!
しばらく登り、時刻は午前3時半すぎ。少しずつ東の空が明るくなってきました。オリオン座も見えます。
そして午前4時15分頃、先行したメンバーは山頂着!
だいぶ明るくなってきました。ここでご来光を待ちます。
そして午前4時50分。ついに感動の瞬間が…!
ご来光~☀
歓声が上がった後はこの場にいる全員が息を呑み、同じ方角を静かに見つめます。
この直後、後続のチームも遅れて到着。
全員一緒にご来光を見ることはできませんでしたが、無事全員登頂することができました。
後続のチームも別角度からバッチリご来光を堪能しました。
その後は、全員集合して山頂で朝ごはんです。
山頂で食べるカップラーメンは最高です。五臓六腑に染み渡ります。
山頂だからこそ。頂上の様々な楽しみ
富士山山頂には日本一高い公衆トイレがあります。
「標高だよ!」の一言が効いてますね。
富士山にはいたる所にトイレがありますが、基本的に有料で一度につき200円~300円ほどかかります。
ちなみに山頂のトイレは200円でした。
富士山頂には神社もあります。それが浅間大社奥宮。
他にも日本最高所の郵便局があり、富士山登頂記念スタンプの入ったハガキを送ることができます。
ドイツ人のシュレックさんは母国のご家族宛にポストカードを送っていました。
この後、余力のある人は富士山の真の最高峰「剣が峰」へ。
富士山の火口の縁を歩きます。目指すはこの上。
ここが日本の最高所3776m地点。
この日は令和初の山の日。記念すべき日に富士山山頂に登頂できて、記憶に残る登山になりました!
想像以上にハードな下山
そして無事に登頂できて、さあ終了!となるわけではないのが登山です。
当然ですが、下山する必要があります。この下山が結構キツイのです。
午前8時過ぎ、下山スタート!
遠くには伊豆大島、天城越えで有名な伊豆半島の天城山が見えます。
下山は登り以上に足に負担がくるため、注意が必要です。
慎重に、石を落とさずに。
登山は基本的に登り優先です。すれ違いができない箇所では下りる側が道を譲ります。
二人の見つめる先には…。
名画「雲海の上の旅人」の再現。こんな構図も実現するのが富士山ならではです。
この後、長く長く続く下りで静かになっていく一行。
気づけばいつの間にか随分と下り、スタート地点である富士宮口5合目が見えてきました。
そして、お昼頃に富士宮口5合目に全員到着。
長く辛い道のりでしたが、全員無事に下山することができました!!!
(全員疲れていて写真を撮る余裕がなかったのです…)
下山後はまたバスに乗り、集合場所の駐車場に戻ります。
帰りのバスではほぼ全員が爆睡。行きのバスとは一転、一言も喋りませんでした…。
みなさん、どんな夢を見ていたのでしょう?
駐車場に戻った後は車で富士宮市内の温泉に立ち寄り、2日分の疲れと汚れをとってリフレッシュしました。
温泉を出た後には富士宮の定番B級グルメ・富士宮焼きそばとお好み焼きで打ち上げ!
車で来たのでコーラや烏龍茶、ジンジャーエールで乾杯です。
打ち上げ後に解散し、各自家路につきました。
解散後、お店の駐車場からは頭だけですが富士山が。
さようなら富士山!また会う日まで!でももう当分いいかな!
これにて、1泊2日の「eマーケ富士山登頂を目指す会part2」イベントは無事終了となりました。
富士山登山を振り返って
当初の目標通り、全員で富士山に登頂し、素晴らしい天気のものとご来光を見ることができて、最高の登山となりました。
また、大きなケガをすることなく全員無事に下山することができたのは、何よりも嬉しいことです!
全員で準備し、楽しく協力しあって登ることができたからこそ、今回の結果につながったものだと思います。
一方で、昨今のニュース等でご存知の方は多いかと思いますが、今年の富士山では落石が相次ぎ、不運な事故も起きてしまっています。
富士山ではいつでも事故が起こりうる、危険な場所でもあるということです。
とにかく登山には「絶対」という言葉はありません。今回の登山ではたまたま事故に遭わなかっただけかもしれません。
楽しそう!誰でも登れそうじゃん!と今回のレポートで思われるかもしれませんが、もし富士山登山をする場合はしっかりと兜の緒を締めて行動して欲しいと思います。
また、普段の業務では関わりのないメンバーと、楽しい時も辛い時も一緒の時間を過ごせたことで様々な発見がありました。同じ目標に向かって全員で取り組み、部署の垣根なく接することのできた今回のイベント。私だけでなく、他の参加者のみなさんにとっても、これからの全研での業務において大きな刺激になったことだと思います。
月並みのコメントとなってしまいましたが、実際にこのようなイベントに参加してみないと感じることのできない空気や体験は必ずあります。
さいごに
「eマーケ富士山登頂を目指す会part2」のレポート、いかがでしたでしょうか?
冒頭で述べたとおり、「eマーケのみんなと富士山に登り、日本のてっぺんでご来光を見る!」という思いのもと、富士山行きを企画しました。
大成功で終わった富士山登頂を目指す会でしたが、この成功の裏には、山小屋の手配やスケジュール調整をしてくださったコミュニケーションプロダクツ事業部の石川さん、配車の調整や安全な登山のためにしおりを作成してくださったPRマーケティング事業部の松本マネージャーのご尽力がありました。お二人のご協力なしにこの企画は成しえませんでした。お二人には本当に感謝しています。
そして、富士山以上の景色を体験できる場所が日本にはまだまだあります。今回参加されたみなさんからは違う山にも登りたい!という声をいただきましたので、登山部では多くの方とより感動的な景色を見に行きたいと考えています。興味のある社員の方はぜひぜひお問い合わせください!
以上、登山部部長の菅野がお送りいたしました。