「“舐めプ新卒“、考え方に悩んでどう変わった?」の巻~新卒1年目の日常~
名乗るたびに「珍しい苗字だね」と言っていただくんですが、案外全国に2万人くらいいます。
さて、私もついにこのブログを書く機会をいただいたわけですが、このブログを一言で言えば「社会を完全に甘く見た“舐めプ新卒”が失敗だらけの1年間を送った末に学んだこと」です。
”社会人生活”は、今までの自分の考え方ではとても太刀打ちできるものではありませんでした。完璧主義をはじめとして自分を縛り付ける思考ばかりしてきた私が、どのような変化をしたのか。かつてそうだった方も、今悩んでいる方も、これから社会に出る方も、是非このブログを楽しんでいただければ幸いです。
“舐めプ新卒”プロローグ~大学生活~
その前に、zenkenに入る前までの半生を。
大学では主に語学を学んでいました。「音の連なりにしか聞こえなかったものが、勉強することで意味のある文章に聞こえる」という現象が好きで、いろんな言語に触れました。メインはポルトガル語、そのほかに英語や韓国語、セルビア語、アムハラ語まで。大学1年のときは学祭で料理店の店長を経験し、かと思えば大学3年の時は思い立ったように芸能系の専門学校にも通い始めて演技を学んだりと、興味の赴くままに経験を重ねた大学生活でした。
▲ 大学の学祭にて。中規模の料理店で売上1位を取り、表彰を受けました(中央の青い服です)
一時演技のプロの道に足を踏み入れましたが、最終的にzenkenにご縁をいただき、入社を決意しました。
現在グローバルニッチトップ事業部(以下GNT事業部)の運用部門に所属し、webディレクターとしてサイトの成果を出すための施策を考えたり、webサイトの修正やコンテンツ追加を行ったりしています。
ここからは時系列に沿って、私がどのような1年を過ごしてきたかをお伝えできればと思います。
入社前に受けたIT用語テストが上手くいったこともあって、冒頭でもお伝えしたように私は「社会人」というものを完全になめたまま、2023年4月から社会人生活をスタートさせることになります。
8月、“過去最低”の自分と直面して
話は少々飛んで8月。
業務と勉強の両立を完全に甘く見ていた私は、入社後に受けたIT用語テストの最終回で過去最低点を記録。松島取締役からも厳しいお言葉をいただきました。
(入社1年目に数回行われるこのテストは、最終回で1位を取ると本配属先を選べるなどの特典がいただけます)
そのころ、自分の力不足で仮配属先も異動することとなり、もう残した結果は変わらないから、異動先でひたすらに頑張っていくしかないと腹に決めました。
しかし、その異動先の運用部門でもうまくいかない日々が続きました。今になって思えば、そもそも1年目から“うまくいく”と思っているのが傲慢だったなと思っているのですが……。
「もらったタスク全部終わらせなきゃ」「自分が全部やらなきゃ」という思考のせいで、定期的にパンクしてはメンターの卓登リーダーや淺原マネージャーに相談していました。このころから周りの方にご指摘いただいていたのは、思考の癖についてです。完璧主義、考えすぎ、人と比べる思考。「あの人はこんなにできているのに」「なんで私はこうできないんだろう」など、何かおほめ頂いたとしても素直に受け取ることができませんでした。
12月、今回こそはと決めた……しかし
こうして苦節の日々を送っていた中で、1つお知らせが舞い込みます。
曰く、12月の全創会(年に1回、全社員が一堂に会して表彰などを行うイベント)で数年ぶりに新卒向けの企画が開催される、と。
zenkenの新規事業の課題を見つけ、チームごとに改善案をプレゼンするというものでした。優勝チームにはなんと賞金も贈呈。チームリーダーを拝命した私は、負けず嫌いなのもあり、今度こそはと意気込んで初動から上長に相談したりと、順調な滑り出しをしたように思えました。
しかし、全創会当日。私は本番の舞台の上に立てませんでした。
本番までの非常にタイトなスケジュールと厳しいリハーサルに追い詰められた私は、考えても仕方のないことに莫大な時間を使った結果、体調を崩し会社に行けなくなってしまったのです。
行けなくなる前日、たまたま見かけたほかのチームの同期の楽しそうな様子が心に刺さったのを今でも覚えています。「企画を楽しめない、リハーサルでも沢山のフィードバックを受ける私はチームに何も貢献できていない」と。
それからしばらくは本当に絶望していました。何度やっても何もうまくいかない。新卒企画でも、自分から「プレゼンターをやる」と言い張ったのに、チームの皆さんに迷惑をかけた。一方で辛かった日々から逃げ出せたという感情もあって、私の中の罪悪感に拍車をかけました。責任感があるといえば聞こえがいいのかもしれませんが、要は周りを頼らず、自分の力を過信していた結果です。
1人でやるとか、一人で悩むって、孤高の勇者みたいでかっこいいと思うじゃないですか?私もそうでした。
でも違ったんです。これは後々上司である安藤次長からも言っていただいたのですが、会社という組織で働いている以上、一番大事なことは「チームで成果を出すこと」です。もちろん個々の強みはあれど、“自分が”やることは思っているほど重要ではなかったりします。
私はこの大失敗を経験し、zenkenを去るという選択肢もあった中で、松島取締役や人事の方、上司と話し合いを重ね、約3週間後、再び運用部門にいさせていただけることになりました。
1月、大失敗の後で変化した”考え方”
運用部門に復帰してからは、ひたすら上長の皆様にお時間をいただき、今回の反省や、今後どのように過ごしていくかを相談しました。
いろんな方からお話をいただく中で私が最も考え方が変わったのは以下の3点です。
1.無理なものは、無理
これは決して後ろ向きな言葉ではありません。「周りを頼る」ということがとても苦手だった私にとって、それを打破するための言葉です。
かつては全てを自分でやり切ることが正解だと思っていましたが、それは違うのだと今は断言できます。前にも触れましたが、一人で抱え込んでも、一人で悩んでも、解決することには限界があります。一時の勇気を出して相談してみれば、本当に、なんてことなく解決することがたくさんあります。1人でミッションをやり切れるのはジェームズ・ボンドだけです。
2.睡眠時間を取る
随分と基本的なところになりますが、私は「睡眠時間を削る」というのが正解でかっこいいと思っていました。
残業して業務を終わらせたい、家に帰って勉強したい、だから睡眠が短くなるのはしょうがないか……と。その生活をできる方もいると思いますが、私はそうではありませんでした。自己学習も大切ですが、一番学びをインプットできるのは業務時間中だと気づき、業務時間にベストなパフォーマンスを発揮するために睡眠時間をきちんととることにしました。もちろん、そう簡単に自分の理想的なリズムが最初から取れるとは限りませんが、自分がどうしたいかも含めて上長に相談するのが大事だと思っています。
3.人と比べても、何も意味はない
以前は、誰かに勝つこと、誰かより上であることに安心感を覚え、誰かより劣っていることに不安になっていました。
でも思い返せば、「○○さんよりできていますね」「○○さんより出来が良くないですね」なんてこの会社に入ってから言われたことはありません。意味もなく自分を疲弊させているのです。これに関してもまだ完全に治っているとはいいがたいのですが、考えそうになったら「はいストーップ。意味ないよー。」と脳内で唱えています。
今、私が思うこと
私はこの1年、「考え方」で悩み続けました。
・こうでないといけない
・0/100思考、1つできないとすべてがダメだったと思ってしまう
・あの人に比べて私はできていない
でも、これらって重要でしょうか?「こうでなきゃ」という半ば義務化された理想像はあくまで自分のなかでの話、相手がそれを求めているかはわかりません。
「すべてがダメだった」はただの思い込みです。できた部分だってきっとあったはず。“誰かよりできている”は自分の人生で本当に大切?否、過去の自分より成長している方がよほど大事です。
同じ事実でも、考え方や捉え方ひとつで見える景色が大層違ってくるということを切に感じています。「どうせ」という言葉で始めるのか、「せっかく」という言葉で始めるのか?小さな違いでも、自分に与える影響は小さくありません。ただ長年のしみついた思考はそう簡単には変わりませんので、こればかりは訓練です。
▲上長や先輩からいただいた言葉を印刷してファイリングしています。
私がzenkenに思うこと
この1年を通して、私がzenkenに持っている印象は2つです。
1つは、いろんな方にお話を聞く機会に恵まれているということです。
入社当初、「(報告や相談が少なく)何を考えているのかわからない」と言われていた私も、やっと1年かけて上長や先輩方の袖を引っ張れるようになってきました。自分からアクションを起こせば、快く話を聞いてくださる環境があると思います。
自分一人で考え込んでいたことも、相談することで驚くくらいあっさり解決することが多々ありました。ただし、「察して」は×。周りの方もご自分のタスクがありますし、社会人として自分から相談するのはマネジメントの一部だとわかったので、きちんと相談したいときは自分から、ということも覚えました。
2つ目は、新卒が新卒として扱われない環境ということです。
どういうこと?という感じですが、要は、何か社内のプロジェクトがあって参加するとしたら、新卒としては一切扱われずに「プロジェクトのいちメンバー」として扱われるということです。
なので「新卒だからタスクも少なめに……」などは一切なし。容赦なく周りの方と同等のタスク量が来ます。意見も求められます。私もこれを知った当初は会議室から見える富士山に向かって叫びそうになりましたが、これはつまり、より早く成長できるチャンスをいただけているのだと、今は解釈しています。
もちろん辛いときもあります。大変です。しかしいつかこの時の経験が、数年後の自分を活かせるのだと信じて食らいついていく毎日です。
zenkenは元気で前向きな方がたくさんいらっしゃいます。
このブログを見ると、私もさぞポジティブ印に変われたような感じに見えるかもしれませんが、考え方や見方を少しずつ変えられるようになってきたというだけで、性格までもが大層変わったわけではありません。社内にはいろんな方がいて、それを受け入れて下さり、強みを活かせる環境も十分にあるところだと思っています。
▲ オフィス周辺は空がきれいに見えます。お気に入りは向かいのビルに映っている雲。
おまけ:いつも心に留めている言葉
最後に、私が好きな言葉を紹介します。
『Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.』
(人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である)
喜劇王、チャールズ・チャップリンの言葉です。
今どれだけ辛くても、大抵数年後にはいい思い出や笑い話になっています。ただしその時辛いと思ったら相談すること。それは絶対に必要です。
1人で抱え込むことは、何の正義でもありません。自分を必要以上に疲れさせないために、チームに何か新しい気付きをもたらすために、周りの誰かに言ってみてください。僭越ながら、このブログを読んでいただいたあなたへの置き土産です。
大丈夫です。なんとか、なります。