【IT用語テスト0点→100点→退職します?!】「嘘」をつき続けて自滅した私が、「正直」に今を楽しめている理由~新卒1年目の日常~
「君は問題児だ」
これは、最近の面談で松島取締役に言われた言葉です。
そんな私の新卒1年目の日常を赤裸々に綴ります。
入社前に「1番期待してない」と言われたIT用語テスト0点の男
2023年5月のことです。
内定をいただく前、僕は一つの大きな選択に悩んでいました。
それは、
「音楽で生きていくか、それとも会社員としての道を進むか」
音楽は僕の情熱そのもの。
しかし、現実はそれほど甘くない。
そんな思いで就職活動を始めたものの、どこか心の中ではその決断に踏み切れずにいました。
そんな迷いの中、就活イベントで出会ったのが、このZenken株式会社です。
他の企業が会社の魅力を強調し、応募者に媚びるような言葉を並べている中、Zenkenの松島取締役は全く違いました。
「うちは勉強ブラックと言われている。それでもやる気のある人だけ来てください」
その率直で正直な姿勢に驚きました。
嘘をつかず、ありのままの事実を話すその姿に興味を惹かれ、僕は面接を受けることにしました。
しかし、皮肉にも、僕自身は正直になれませんでした。
面接時、松島取締役に
「音楽で生きていかないの?」
と聞かれた時、内定を失いたくない一心で、僕はこう答えました。
「音楽は趣味です」と。
実際のところ、僕の心の中では音楽を諦めきれない思いが渦巻いていました。
それでも、内定が欲しかった僕は、自分を偽ってその場を取り繕ったのです。
幸運にもZenkenから内定をいただきましたが、問題はその後すぐに訪れました。
内定から1週間後、IT用語テストが実施されました。
しかし僕は勉強せずにテストに挑み、結果は0点。
時間がないことを言い訳にして、僕は勉強を完全に放棄していたのです。
内定をもらって安心し、やる気を失っていた僕は、Zenkenが僕に抱いていた期待を裏切ってしまいました。
その2ヶ月後、内定者懇親会が開かれました。一緒に働く新しいメンバーたちと顔を合わせる中、
一人ずつ挨拶をする時間が訪れました。
僕の番が来たとき、松島取締役はこう言いました。
「一番期待していないのが彼です」
自分の行動が招いた結果だと理解していましたが、それでもその言葉の重みは想像以上でした。
自分の無責任さに打ちのめされながらも、僕はその後も自分の進路に迷い続けました。
インターンに挑戦したものの、家庭の事情で途中で断念。
結果的には、音楽に逃げ込むように没頭していき、
「1年以内にこの会社を辞めて、音楽で生きていく」と心の中で決意しました。
「逃げない」と決めた新卒研修
そして、つかみ取ったIT用語テスト100点
4月1日の入社日がやってきました。
前日の夜は緊張でほとんど眠れず、
たった1時間の睡眠で朝を迎えたことを今でも鮮明に覚えています。
自分が期待されていないという事実、そしてこれから始まる未知の挑戦への不安で、心は複雑でした。
しかし、そんな僕の気持ちは、新卒研修が始まると一変しました。
驚いたことに、「楽しい!」という感覚が芽生えたんです。
厳しい毎日が待っていると覚悟していたのに、実際には毎日が新しい発見と刺激の連続でした。
事業部の説明だけでなく、ストレスコントロール研修やテレアポバトルといったユニークなカリキュラムが次々と展開され、面白い学びが押し寄せてきました。
そして、マーケティング研修、テレアポバトルではチーム1位の成績を収めることができ、
最初のIT用語テストでは、なんと100点を取ることができたんです!
かつて0点だった自分が100点を取るなんて、まるで夢のような体験でした。
周りの方々からの祝福を受け、本当に嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。
この1ヶ月間で、少しずつ会社での成功体験を積み重ね、会社での自信を取り戻した僕は、仮配属でも頑張っていこうと意気込んでいました。
しかし、順調に見えた僕のZenkenライフは、また自分の嘘によって苦しめられることになりました。
入社前の嘘発覚、取締役に謝罪へ
入社前の面談でついた嘘が僕を追い詰め始めました。
それは、音楽で生きるか、会社で生きるか。
僕は内定が欲しくて、「音楽は趣味です」と答えましたが、実際のところは「1年以内に辞めて音楽で生きていく」と決めていました。
そんなある日、グローバルニッチトップ事業部の彩羅マネージャーとランチに行く機会があり、
趣味の話題になりました。
その時、僕は思わず「1年以内に辞めて音楽で生きていくつもりだ」と口にしてしまいました。
ずっと胸の内にくすぶっていた本音が、思わぬ形で顔を出したのです。
すると、彩羅マネージャーはこう尋ねました。
「それって、松島取締役にも伝えてるの?」
その問いに、僕は言葉を詰まらせました。
もちろん、答えは「いいえ」でした。
僕は嘘をついて入社していたのです。
「それは……」と言葉を濁す僕を見て、彩羅マネージャーは続けました。
「心の中、モヤモヤしてるんでしょ?
それなら、ちゃんと話して謝った方がいいよ」
その言葉が、僕の心に深く刺さりました。
嘘をつかない松島取締役の姿に魅了を感じてこの会社に入ったのに、自分はその松島取締役に嘘をついていた。
どこかで罪悪感を感じながらも、「仕方ない嘘だ」と自分を正当化し、向き合うことから逃げていました。
「このままで、自分を変えることはできない」
そう感じた僕は、意を決して松島取締役に謝罪しに行くことを決めました。
しかし、またしても僕はカッコつけてしまいました。
本当に謝りたい気持ちを抑え、「音楽も仕事も、どちらも頑張っていきます!」という、まるで意気込みを宣言するような内容を口にしてしまったのです。
すると松島取締役は冷静に、しかし厳しい言葉で僕に返しました。
「何を言っているかわからない。
夢を追うことに私が怒るとでも思っているのか?」
その言葉に、僕はハッとしました。
自分が謝るべきことを謝らず、またもや逃げていたことに気づかされたのです。
謝罪するべき時でさえも、自分を守ろうとする姿勢を取っていた。
そんな自分を松島取締役は見抜いていました。
その後、改めて僕は謝罪をしました。
松島取締役は、そんな僕を見て、
「チャンスはまだある。がんばれ」
と言ってくれました。
嘘を重ねる仮配属、その嘘で勝手に苦しみ退職を決意
仮配属でキャククルの営業に配属された時、僕は”まだ”自分を守るために嘘をつき続けていました。
毎日のKPIに苦しみ、達成できない焦りから、怒られたくないという一心で、できもしないアクションプランを掲げては、それを実行しない日々が続きました。
表向きは「なんとかやっている」と装っていましたが、内心では、自分が嘘を重ねるたびに少しずつ自分が壊れていくのを感じていました。
本当にその嘘が自分を苦しめていることに気づいたのは、体調を崩して会社に行けなくなった時でした。
心と体が限界を迎えていたのか、それともただ逃げ出したかっただけなのか。
その時は分かりませんでしたが、会社に行かなくていいと感じた瞬間、「ほっとした」と思ってしまった自分がいたのです。
そんな自分が嫌で、逃げることばかり考えている自分に対して、嫌悪感が募っていきました。
ついに退職を決意した時、その理由は「音楽がやりたいから」という、もっともらしい理由でした。
「本当にやりたいことは音楽だ、今すぐ会社を辞めて、バイトをしながら音楽で生きていけばいい」と、自分に言い聞かせていました。
でも、その時の僕の決断は、ただ逃げ出すための口実に過ぎなかったのだと、今になって思います。
それが、僕が下した「退職」という決断の真実でした。
人生を変えた黒田部長との面談
成果も出せず、半月も体調不良で休んでいた自分。
会社にとって、僕は「残しておく価値のない人間」だと信じて疑いませんでした。
何度も嘘を重ね、もう誰からも信頼されていないと感じていたからです。
そんな自分にとって、これ以上Zenkenでの未来は見えないと思い込んでいました。
そして、ついに退職届を出し、その翌日に黒田部長との面談がありました。
僕は当然、退職の手続きについて話をされるのだろうと考えていました。
「これで全てが終わるんだ」と。
しかし、電話の向こうから黒田部長が発した言葉は、僕の予想を覆すものでした。
「会社を辞めるなんていつでもできる。
伊藤さんがまだ迷っているなら、1年間俺に預けてみろ。
クリエイティブが何なのか、人を感動させるというのはどういうことなのか、
全てをかけて教えるよ。
そして、それを全部音楽に活かせばいい」
この言葉に、僕は思わず涙がこぼれました。
ずっと弱い自分を隠そうとし、嘘をつき続けていた僕が、初めて自分の弱さを受け入れることができた瞬間でした。
あの時、逃げることしか考えていなかった僕にとって、この出来事は人生を変える大きなターニングポイントでした。
これだけ嘘をつき続けても、まだ正面から向き合ってくれる。
そんな人がいるとは思いませんでした。
自分が逃げるのではなく、真正面から向き合うことで見える新しい道があることを、
この時初めて教わったのです。
迎えた本配属と「新しい」チームメンバー
そして、ついに本配属の日を迎えました。
新しいチームメンバーには、僕が退職しようと思っていたことを伝えました。
しかし、皆さんは僕を暖かく迎えてくれました。
次の文章は、私の上長である絵里香マネージャーからいただいたチャットの内容です。
「今回自覚したり経験した、いろんな弱さや情けなさ、カッコ悪さも全部ひっくるめて受け入れてむしろこれからの伊藤さんの血肉に変えて、超えていこうね!!
音楽の夢はもちろん持ち続けてくれていいし、応援もするよ。
でも、音楽をやっていくにも、せっかく今伊藤さんが自分自身でつかみ取ったMC課という環境で身に着けられること……。
youtubeをはじめとするあらゆるSNS、動画、写真をはじめとする技術や知識、企画、ディレクション、マーケティング、人とのコミュニケーション、そしてチームワーク。
全部かならず、音楽の成功にも伊藤さんのクリエイターとしての幅や視野を広げるにも、良い影響にしかならないから。
いまはまだひとつひとつが点と点に見えるかもしれないけれど、すべてはつながっていると思います。
これからの全てを自分の血肉にするんだ!という思いで一緒に頑張っていこうね。
お待ちしておりました^^
今日から改めてよろしくお願いいたします」
こんなに温かく迎えてくれる人たちがいるなんて、想像もしていませんでした。
今度は、もう逃げない。
嘘をつかず、正直に全力で挑むと改めて心に決めました。
この経験から、「今」何を思うのか
この経験から学んだことは大きく分けて3つあります。
1つ目は、決断は絶望ではなく、希望に基づいて行うことです。
これはミシェル・オバマの名言でもあります。
音楽が本当にやりたくて会社を辞める決断をしたのか?
それとも、会社を辞めたいから、音楽にすがるという決断をしたのか?
僕は、後者でした。
会社が辛くなった時、その状況から逃げ出したくて、自分を正当化するために「音楽に専念する」と思い込もうとしました。
でも、その順序が逆だったんです。
誤った順序がやがて自分をも騙し、洗脳していたのです。
もしそのまま辞めていたら、僕はどこかで同じことを繰り返していたでしょう。
やりたいことに本気で向き合うのではなく、ただ目の前の困難から逃げるだけ。
そんな状態で音楽に飛び込んでいたとしても、成功なんて掴めなかったと思います。
決断の基盤は希望であることが大事だと学びました。
何かから逃げるための決断は、いつか必ず自分を追い詰めます。
だからこそ、次に進むための決断は「何をしたいのか」「どうなりたいのか」という
前向きな希望に基づいて行うべきなのだと学びました。
2つ目は嘘をつかないことです。
僕は、自分を守るために小さな嘘を重ねていました。
最初は些細なものだったかもしれませんが、その嘘がやがて大きな鎖となり、自分自身を苦しめることになったんです。
嘘は、一時的に自分を守るように見えても、必ずどこかで自分に返ってくるものだと学びました。
一方で、正直に話すことで、たとえその瞬間は苦しくても心は軽くなります。
正直さは、信頼を築き、人との関係をより深いものにしてくれます。
結果として、嘘をつかないことで得られる安心感と信頼は、どんな嘘よりも自分を強く支えてくれることを実感しました。
3つ目は、どう見られたいかではなく、何を与えたいかを考えることです。
「カッコよく見られたい」「仕事ができると思われたい」
僕はそんな思いで行動していました。
自分をどう見せるか、どう評価されるかばかりを気にしていたんです。
でも、本当にカッコいい人って、そんな風に自分をよく見せようとする必要がないんですよね。
むしろ、周りに幸せを与え続ける人が、自然とカッコよくなっていくんです。
僕は完全に「前者」でした。
前者の人間は、常に相手から何かを得ることを考えて動きます。
評価、称賛、利益。
それらを求めて、自分の行動を決めていました。
しかし、後者は違います。
後者の人は、相手に何を与えられるかを考え、相手の幸せを優先します。
そして、この「与える」ことこそが、結果的に自分の幸せに繋がっていくんだと、
少しずつ気づき始めました。
カッコよく見られたいという表面的な思いではなく、相手を喜ばせ、周りの人々の幸福を大切にすること。
それが最終的に自分自身の充実感や達成感に繋がるんです。
それまで求めていた「カッコよさ」なんて、実は一番最後に手にはいるものだ
と学ぶことができました。
Zenkenには、①〜③のようなことができる人がたくさんいます。
そして、この会社は本当に「人を諦めない」会社です。
僕が何度も自分の弱さから逃げ出そうとしたときでも、Zenkenはそのたびに僕を正しい道へと導いてくれました。
そうして、自分自身が誇れる生き方を本気で追求したいと思わせてくれたのです。
Zenkenで働く1人ひとりが、
ただ業務をこなすだけではなく、誰かを感動させることに夢中になって働いています。
それが、この会社の本当の強さだと僕は思います。
だからこそ、僕もその一員として、このZenkenで全力を尽くして頑張っていきます。
自分に正直に、誇りを持って生きるために。